鍋島 Nabeshima

2010年06月07日

3 心に刻んだ、二つの人生訓

ここで、地元小売店の若手後継者4人との話し合いの中で話題に上り、私たちが感銘を受けたある人物の言葉を紹介します。その人物とは1885(明治18)年鹿島出身で、後に「青年団の父」として知られる田沢義鋪先生。
下村湖人の代表作『次郎物語』に登場する田沢先生のモデルであり、別著『この人を見よ』には田沢先生の偉業と金言の数々が記されています。


「故郷に錦を飾る」こと

田沢先生は、青年たちに「故郷に錦を着て帰ることを願う前に、郷土を錦で飾ることを考えよ」という地域主義を説かれています。これから“地の酒”として勝ち残るために、地元に密着して育ていくことの重要性を示唆してくれました。余談ですが、昭和60年前後、東京・上野の精養軒で故・梁取三義さんが主催していた日本酒の会に参加したご縁から、東京の有名な地酒屋さんを訪ねた際、こうアドバイスしていただきました。「まず地元を固めなさい、それからでいい」。あまりにも当たり前のことを言われ、悔しくて、悔しくて自分に足りないものを見透かされた気がしました。まさしく田沢先生の言葉そのものでした。

「平凡道を非凡に歩め」

「人間生活に必要な当たり前のことを人一倍、入念にやれば、その積み重ねが非凡な結果を生むことになる。一挙に非凡なことはできない」。この言葉は同じことの反復ではなく、問題意識を持ち、継続し続けることの大切さを教えてくれました。新しいことを立ち上げようとしている私たちにとって、何よりの戒めとなりました。
この二つの言葉は、その後の私にとってかけがえのない人生の指針となり、今も心の奥底に深く刻まれています。
posted by 鍋島 at 19:14 | 鍋島伝