鍋島 Nabeshima

2009年08月06日

2 雨にも負けず、風にも負けず〜皆様と「鍋島米」の基礎づくり

いよいよ田植え当日。大雨洪水警報が出た最悪の天候の中、総勢60人近い家族連れが集まり、田植えを開始しました。誰もが無口になるほどの強い雨で、午後からはバケツをひっくり返したような土砂降り。奮闘する子どもたちの背後では、雷がゴロゴロ、ピカピカ。何とか作業を終えて避難するように家路に着きましたが、誰もが植えた苗が心配で仕方がありませんでした。

その翌日に田んぼへ行ってみると、みんなの力と想いが乗り移ったのか、苗は多少曲がりながらも何とか大地に根を張っていました。「鍋島」は、他の稲に比べて青々として明らかにのっぽで屋傘は99.2cm。その分、倒伏が不安ですが、無事に成長していってくれました。

しかし、出穂期も過ぎてこれからという時に大型台風が直撃(9月17日)。しかも被害の拡大しやすい佐賀の西側を通過するコースで、通過する時間帯の有明海は満潮と最悪の局面を迎えました。風も強まった台風の接近時、暗くなる前に様子を見に行ってみて愕然としました。周りの稲は立っているのに「鍋島」だけが倒れていたのです。言葉を失い、しばらく座り込んで眺めていると、背の高い「鍋島」だけが、身をかがめ風を避けているようでした。昔の品種ゆえ自然の摂理のままに、後に種を残すためにこんな姿をしているのでは。そんなふうにと思えてなりませんでした。
台風通過後の田んぼは「鍋島」だけが枯れ、雨に濡れた稲穂の沈んだ色が重々しく感じられました。根元から折れ、まるでじゅうたんを敷き詰めたかのようです。急いで農業指導員さんと農業試験場に相談したところ、稲を一株ずつ起こして4〜6株を穂の下方をわらで結び、ピラミッド状に立てるしかない。そのままでは品質も落ちて発芽しても駄目になるかも、とのことでした。

あの田植えの苦労を、みんなの想いを、ここで途切れさせるわけにはいかない。来年の種籾としてそのDNAを残し、伝えていかなければならない。急いで「鍋島」特約店のメンバーとシルバー人材センターに連絡して作業に取りかかりました。5日間に及ぶ炎天下の作業の末、辛うじて対処することができましたが、「鍋島」は大きなダメージを受けてしまいました。
posted by 鍋島 at 20:06 | 二つの鍋島